介護についての思い込みをなくそう

お金

親の面倒は子どもが診るのがのが当然

最期を迎える瞬間を人に任せるなんて非道だ

仕事を辞めて介護に専念するべき

介護は産んでくれた・育ててくれた親に恩返しする最後のチャンスだ!

介護についてこんなふうに思っている人は少なくないのではないでしょうか?

私を含め、昭和生まれの世代は特にこの考えが染み付いているのではないでしょうか

やっぱり介護は家族にしてもらったほうが

親も喜ぶんじゃないかなぁ

あら、そうとも言えないのでは?

親のためと思っての行動や言動は本当に親が望んでいることかしら?

思い込みや、世間一般の常識にとらわれないで、それぞれの家族に合った選択をすることが介護をする上で一番大事なことだと思うのです

今回は介護に対する考え方について、私の実体験も交えて話していきたいと思います

○○するべきといった思い込みからの脱却

介護はいざやってみるととても悲しく、やりきれなさと、報われないやることの多さでグッタリしてしまうものです

心の中では親孝行したい、家族の為に自分がなんとかしなくては!と思っていても全く思うようにいかなくて、親にイライラし、そんな自分に嫌悪感

介護のプロではないのですから出来ない、わからないが当然です

でもそれって本当にあなたがやった方がいいこと?

【実体験】お風呂に入れる

母を自宅で入浴させようとしたときに、こちらは細心の注意をはらって湯船に誘導し、肩まで浸からせ、背中を流し、髪を洗うということをした時のことです

母はいちいち怖がり、「危ない」「痛い」「もう出る」と言ってきました

私はネットで在宅でお風呂に入れるコツを調べていたし、ある程度はできると思っていました

しかしやはり付け焼き刃ではダメでした

私自身の不安感やおっかなびっくりやっていることが母にも伝わっていたのでしょう

デイサービスでは大きなお風呂でプロの方が手際良く、機嫌よくやってくれるのに対し、私は焦るばかりで本人がリラックスできるわけがないんですね

【実体験】家をピカピカにする

遠距離介護なので、月に一度帰省する際は徹底的に掃除しました

コロナもあるし、埃や菌が原因で体調を悪くしたら大変!と言った思い込みで

母がデイサービスから帰ってきてもしばらく掃除をしていました

そんな私に母は「座ってお茶のもう」「TVでもみたら?」と話しかけてきます

私は限られた日数で最大限のやれる事を!と聞く耳を持たず、「今忙しいの!」と言った事もあります

きっと母はたまにくる娘とゆっくり話したり、お茶を飲む時間を楽しみにしていたはず

最低限の日々の掃除はヘルパーさんにお願いして、母も一緒にできる事をやるようにしたほうがずっと良いと気がつきました

親の老いを受け入れ、容認する

残念ですが、必ず親は必ず老いていき、自分よりできないことが増えていくものです

それを受け入れ、「しょうがないなぁ」と思えるようにならなければいけません

認知症の症状が出てきても「うちの親に限って」と現実から目を背けたくなると思います

【実体験】母が認知症になる前

母が介護が必要になるまでは年に2回程度の帰省で親に会っていました

年末年始やGWなどの連休などまとまった休みが取れるときに限られるので、離れて暮らしていて仕事をしているとこれくらいでも会っているほうだったりしますよね

そんなある日、久々に親子で温泉にでも行こうと旅行を計画しました

母と娘で大浴場に入ったときに、母が全く髪の毛を洗えてなかったのです

濡らしてシャンプーをつけているのですが、手が頭まで上がらず、指も動かない感じで泡立ってないのです

どうしたの?大丈夫?と声をかけるも、「別に洗わなくてもいい」と言ってその日はお湯で流して終わりにしていました

身体の洗い方もなんだかおぼつかなかったのですが、温泉に来て慣れないところだからかなとあまり気にしていませんでした

それから一年後、帰省した時に母の頭がフケだらけで、何日もお風呂に入ってない様子

聞けば「歳をとって色々億劫になった」とのこと

さらに、窓から誰かが見ている、物を盗られたといった、事実と異なることを度々言うようになり、これは変だということで、認知症外来を受けました

ここまで進む前にも診てもらったことはありましたが、その時は年相応の「物忘れ」程度の診断でした

【実体験】認知症になってから

母が認知症と診断されてからも子どもの私としてはこれくらいはできるだろうとか、前は出来たのに、やらなくなったのは甘えでは!?変な事ばっかり言って、嘘つき!とか

なかなか母の衰えていく様子や認知症からくる症状を受け入れられずにいました

同居している父も同様で、「お母さんが変なことばっかり言う」と夜中に電話をしてくることも少なくありませんでした

その度に悲しくてやるせなくて涙を流す日々

頭では老いていくと解っているつもりでも腹の底ではまだ受け止められずにいたんだと思います

介護にお金をつかう

親の収入(現金)・貯金額・生活費は知っていますか?

これを知らないまま、介護サービスに新たにお金をかけることになかなか踏み切れないのではないでしょうか

まずは実家に帰った際に請求書や光熱費の明細を片っ端からみてメモしてください

大体の月に必要な額を年金収入から引いて、どれくらい余るのか確認してみましょう

介護の基本は本人のお金で賄うことです

介護をする人はなるべく出費をしないで住むような方法を探しましょう

介護保険を使えるようにするためにはまず介護認定が必要です

介護が始まったらやるべきことを書きましたので、よかったらこちらもご覧ください

http://caremaru22.com/ある日介護は突然に/

【実体験】実家の家計の把握

まずは両親の家計の実体調査をしました

思いつく限りの出費を洗い出し、無駄はないか確認

年金の少なさに驚愕(笑)父はもらえてない気がしてましたが、一時期厚生年金に加入していた時の恩恵で1万円もらえているようです(ないよりマシ)

○○家の家計簿🐱作成日:2022年1月1日 更新 作成者:けあまる
💴収入
項目金額口座
母年金¥65,000母(○○銀行)
父年金¥10,000父(○○銀行)
収入合計¥75,000
🏠支出
項目金額支払い方法
家賃・共益費18,000父口座
電気代6,000父口座
水道3,000母口座
ガス代3,500現金(集金)
灯油代3,000現金(集金)
携帯代(2台分)8,000母口座
母保険①○○生命3,879母口座
母保険②○○生命¥16,800母口座
食費 現金払い20,000
食費(生協)20,000母口座
日用品費5,000
出費合計107,179
けあまる実家 家計簿

ご覧の通り、赤字家計です!母のへそくりを使ってなんとか生きていたようです

母が保険に2つも加入しており、内容がほぼ使えない、、!すぐ解約手続きを進めました(認知症のためかなり大変でした)

携帯も格安SIMに変更し、母はほぼ使わないので1000円以下に、父も3000円以下になり、これだけでも24000円の節約になりました

それでもまだ赤字ですが、母の貯金残高と相談しながら介護サービスを選択

要介護3で使える保険内で最大限のサービスを提案してもらっています

おむつ代は介護用品補助のサービスで6,300円分もらっているので、全て補助金で間に合っています

【実体験】介護サービスを使うことに消極的な父との会話

父は冒頭で書いた「介護は家族がやるべき」「娘が診て当然」そんな考えの持ち主です

今まで育った環境だったり、そうしているご家族を見て今まで生きてきているので、その考えを責めるつもりはありません

しかし、月に1度の帰省の最後の日は決まって両親がコソコソ「明日帰るって、どうしよう」「ここに住めばいいのに」と話している声が聞こえてきます

私自身は、まだ30代だし家庭も仕事もあるため、親と同居して介護をすることが難しい

そんな自分の気持ちを何度も話してきて、その時は「そうだよね」「やりたいようにやれ」と言ってくれるのですが心の奥底では、いつも側にいて世話をしてほしいと思っているようです

母はもう私が誰なのかも曖昧になってきており、(たまに来る、なんかいい人くらいに思ってるはず)介護サービスを使っていること自体に不満はなさそうで、デイサービスもヘルパーさんもとっても気に入っています

ところが、父はまだ思うところがあるようで、何かとブツブツ言っています(おそらく寂しいことが原因)なるべくこまめに電話をしたり、気にかけるようにしつつ、帰ったときにはしっかり話し合うことが必要なようです

まとめ

今回は介護についての思い込み・世代間の考え方のギャップについてでした

親は子を産んだら保護・育児の義務はありますが、子は親を介護する義務というものはありません

かと言ってすぐ割り切れるものでもないのが人情というものでしょうか

つきっきりで家族が介護することが、介護される人もする人も負担なく、納得できている場合はそうするのがいいと思いますが、そんな人はかなりレアケースだと思います

ほとんどの方にとっては、上手にサービスを使うことで負担を軽くし、介護者が笑顔でいられるようになることが、親孝行に繋がるのではないかと思います

まだ介護が始まっていないご家庭も今一度、それぞれの考えを話してみるのも良いと思います

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