介護スタートから介護休業給付金をもらうまで

お金

「あんた、あたしゃもうすぐ介護になるよ」

そんな宣言があってから始まる介護はなかなかありません。

知識ゼロ、心の準備ゼロ 突然介護がはじまってしまったら、まず何からどうしたらいいの?

介護と仕事の両立は? 会社には報告するべき?

最近は20代、30代で介護をする人も増えてきています

介護について何も分からない方にもわかりやすく、まずやるべきことや、

仕事と両立するコツでもある、仕事を休業してお金をもらいながら、介護する体制を整える、私が実際に一番助かった制度の「介護休業給付金」を受給するまでについてお伝えします

いぬまる
いぬまる

こんにちは!いぬまるです

やべー!家族の介護がはじまったけど、何から始めたら良いのかな?

介護って難しい言葉ばかりで分かりずらいな、、

けあまる
けあまる

いぬまるくん こんにちは

介護ってとっても不安ですよね。

でも安心して!介護する人にとって心強い味方がいるのよ

まず何からするのがいいか順番に見ていきましょう

やることその1. 地域包括支援センターに連絡をしよう

初めて耳にする方も少なくないのではないでしょうか?実は私もそうでした。

地域包括支援センターとは、高齢者とその関係者介護・医療・保険・福祉などの生活上の困りごとがある際に、支援をしてくれる相談窓口です。困っている人が生活する地域の窓口に行ったり、電話でも相談できます。

地域包括支援センターを利用できる人は、65歳以上の高齢者高齢者に関わる人という決まりですが、それ以外の年齢の方でも困ったら相談してみましょう。特に要介護・要支援などの認定を受けている必要はありませんよ。

うーん、なんだか真面目そうなところだな

ぼくなんかが電話してもいいの?

ふふふ 初めはみんな緊張しますよね

窓口の人はみんなプロなので、優しく相談に乗ってくれますよ

相談方法・必要なこと

離れて暮らしている場合は、職員の方が直接見に行ったり、近くの施設を紹介してくれるので、必ず支援が必要な方の地域の包括支援センターへ連絡して下さい。

その際、支援が必要な方の住所・氏名・生年月日・電話番号は最低でもすぐに伝えられるように準備しておくとスムーズです。意外と親の生まれた年がとっさに出てこないことがありますので。

危ない危ない!

つい自分が住んでいるところに連絡しちゃいそうだった!

介護が必要な人の地域についてよく知っている専門家が相談に乗ってくれるので、

難しい専門知識がなくっても全く問題ないですよ!

相談内容(実体験)

これは私の実体験です。2021年の冬に父が倒れ、救急搬送されたと親戚から連絡が入りました。私と両親は片道6時間以上かかる距離に離れて暮らしています。母は数年前から物忘れが多くなっていましたが、特に認知症という診断は出ておらず、しばらく様子を見ていました。それでも父が家にいない間、母を一人にすることに不安がありました。

私は仕事がかなり忙しく、すぐに実家へ帰省することができませんでした。近くに住む親戚もいますが、やはり高齢でたくさんは頼れません。

そこで、包括支援センターへ連絡してみることにしました。

仕事の昼休みに連絡先を調べ、電話しました。所要時間は15分くらいで終わったと思います。聞かれた内容は家族構成と、今困っていること・家族のそれぞれの出来ること・出来ないことの確認、当面どうしていきたいか…など。自分も突然のことで返答に困ることもありましたが、質問に答えながら自分の考えを確認していく感覚でした。

その流れで両親の介護度を調査する「介護認定調査」の段取りを取ってくれ、ケアマネージャーさんを紹介していただきました。

やることその2. 介護認定の申請をしよう

介護認定とは介護保険サービスをお得に利用するために必要な工程です。認定されると、様々な介護サービスを1~3割の自己負担で受けることができます。

実際に日常生活の中でどれくらい人の手助けが必要かを身体機能、生活機能、認知機能、精神・行動障害、社会生活への適応の5項目でチェックして要支援1〜2、要介護1〜5という指標で表します。

まだ認定なんて必要ないのでは?とかうちの親はしっかりしているから大丈夫とか自己判断で先送りにせずに客観的に見てもらうと、気づいてなかった問題点が見えてくるというメリットがあるので、迷ったら受けてみるといいと思います。

もちろん、自立して生活できるという判断になることもありますし、調査に料金も発生しません。

調査の際に必要なものはこちら

  • 申請書
  • 介護保険の被保険証
  • 健康保険の健康保険の保険証(65歳以下の場合)
  • マイナンバー通知書(申請書に記入する際に使用)

病気とか怪我とか、何かあってからじゃなくても

依頼できるんだね!

そうよ!

40歳以上のほぼすべての人が介護保険に加入しています

でも実際に介護保険サービスを利用するためには要介護認定を受ける必要があるのを知らない人が多いですよね

介護認定調査(実体験)

母を改めて通院させ、アルツハイマー型認知症と診断されました。その後、認定調査をしてもらいました。まずは母から。私は仕事で同席できませんでしたが、しっかり調査していただき、電話で両親の様子も教えてもらい、とても安心したのを覚えています。初めてのことだったので、私も両親も緊張していましたが、和やかに雑談の延長のような雰囲気にしてくれたのだと思います。母も久々のお客様で興奮気味でした。

後日、父の調査の日には私も会社を休み、同席しました。(調査は平日の日中のみです)当日はケアマネさんと、保健師さんが家に来てヒアリングをしてくれました。所要時間はほんの20分くらいだったと思います。「身体の調子はどうですか?」「朝ごはんは食べましたか?」「今日のセーター素敵な色ですね」など話しやすい雰囲気作りをしてくれます。身構えていた父もだんだんにこやかに。

調査内容は朝起きて夜寝るまでの様子を聞いていく感じです。

・寝床から立ち上がれるか

・着替えは自分で選べるか、着れるか

・お風呂は入れるか

・食事の準備はできるか

・排泄は自分で正しくできるか

・歩行に問題はないか   etc…

車の運転が危なくなっていた父は免許の返納をしたばかりで、買い物に行く足が無くなったことを不便に思っていました。足の動きがスムーズでなく、近くのコンビニまで歩いていくこともままならない。そんな自分への苛立ちと、今までのように気が向いた時に買い物に行くことが出来なくなったことの、閉塞感のようなものが大きいと感じているようでした。

私には生協さんが食材を運んでくれるし、コンビニも歩いて行けるし何とかなると言っていたのですが、やはり悩んでいたようです。そんな本心を聞くこともできるので、第三者を交えた家族会議のようで、私にとってとても有意義な時間でした。

一方その頃の母の様子はというと、妙に緊張の面持ちの父とは裏腹に、こたつに入りお菓子をパクパク食べ、テレビを見て最後にはうとうと。家族の中で一番肝が据わっています。

父は歩きにくいこと以外の普段の生活についての質問に対してはかなり盛って良い印象になるように答えていて「え?!やってないじゃん」とツッコミを入れてしまう場面も多々。おそらく調査員さんも解ってはいると思いますが。掃除・洗濯・片付けといった類は両親とも大の苦手で、家の中は控えめに言っても片付いているとは言えません。むしろ汚部屋?私が帰省するたびに掃除するのですが、あっという間に元通り。少しずつでもやってくれたら少し楽になるのにな。と愚痴りたくもなります。

うちの実家の実態はこちら、、

父の言動で今回気づいたことは、調査員さんの質問に対して返答することに時間がかかっていて判断・思考の能力が低下していること。書類に名前や住所を書く際も何度も場所を確認しながらゆっくりと。もともと仕事柄、字が綺麗な父でしたが、ガタガタの文字で枠からはみ出るようになっていました。それには私もちょっとショック。自分より優れていた・尊敬していた部分がだんだん失われてしまうことに悲しくなりました。(その後、写経のドリルや手先の運動などをして元通りとまではいきませんが、良くなりました)

ちなみに今回の調査は2021年の冬で、まさにコロナ禍。都心から帰省するのもPCR検査で陰性であることを確認したり、ワクチンの接種はもちろん、何度も熱を測ったりとかなり神経を使いました。お年寄り相手のお仕事の方々は本当に大変だと思います。

調査員の方々はお茶やお菓子はお断りしているとのことで、持ち帰れるようにペットボトルのお茶や小分けになっているお菓子を用意しました。(でも本当は何も出さなくてOKみたいです)

やることその3. 入院することになったら相談員と話そう

医療相談員(メディカルソーシャルワーカー)は 入院患者さんの生活する上での悩みの相談にのり、解消してくれる人です。お仕事で、身体面、精神面、経済面何でも心配なことを相談できます。

相談内容に応じた病院や施設、サービスなどを受けるサポートやきっかけを作ってくれます。

病院でも生活の相談をして良いんだね!

身体のことだけでなく、生活やお金のことも相談できるのは心強いですよね!

まだ介護認定調査依頼をしてなければ、病院で申し込むこともできるので

ぜひ相談してみて下さいね

やることその4. 介護休業・休暇などの制度を知ろう

厚生労働省の雇用動向調査によると、2020年に介護を理由に離職した人は約727.2万人います。

働く人も企業側も、介護離職をなるべく避ける為に設けてある制度はいろいろあります。

【育児・介護休業法】

・介護休業

・介護休暇

・所定労働時間の短縮などの措置

・所定外労働の制限(残業の免除)

・時間外労働の制限

・深夜残業の制限

・転勤に対する配慮

・不利益取扱いの禁止

【雇用保険】

・介護休業給付

上記の制度以外に会社によっては独自の制度を設けているところもあります。介護が始まると結構手続きで時間が取られる場面が出てきますので、上司に事情を説明して制度を活用したい旨を伝えてみましょう。自分の仕事と上手に折り合いをつけるために3ヶ月程度しっかり休むこともできます。

ぼくの会社はブラック企業だし、介護を理由に休んだり

残業しないなんて出来そうにないな。。

そんなことないですよ!

介護のために休暇や時短勤務をしたいと申し出た時に、正当な理由なく、

降格や異動させたり、契約社員を雇い止めにするなどといった行為は

ケアハラに当たります

介護休業は労働者の権利ですので阻害することはほうれい違反になります

しっかりと権利を主張してOKです

介護休業を取得したとき(実体験)

私が介護休業を取得した時の経緯になります。2021年のお正月早々から遠距離介護生活がスタートしたわけですが、一人っ子の私は親二人の面倒を見つつ、仕事と家事もという生活に限界を感じ始めたのがその年の夏の終わりでした。(意外と早かったかな)

月に一度1週間から10日帰省する生活をしていたのですが、その道中、車で接触事故を起こしてしまいました。もともとと新生活では車を使うことがなく、完全なるペーパードライバーだったのと、母の通院時間に間に合うようにという気持ちの焦りもあって、レンタカーをぶつけてしまいました。幸い怪我もなく、ことなきを得ましたが、結局修理代として8万円の出費。ただでさえ往復の交通費だけでも5万円くらいかかるので、この時は泣きましたね(笑)

毎月介護のためだけに平均8万円くらいの出費がありました。ある時の7日帰省した際の出費明細はこんな感じです。外食なしで全て食事は作っていますが、10日分くらいの作り置きもするので少し高め?かもしれません。

7日間帰省
新幹線(往復)¥23,220
レンタカー¥23,540
ETC¥2,000
ガソリン代¥4,103
ドラッグストア1¥3,515
ドラッグストア2¥4,327
食材1¥3,462
食材2¥1,250
食材3¥826
食材4¥4,327
手土産¥1,947
衣類¥5,900
マットレス¥8,600
シーツ¥4,427
書籍¥2,200
郵便局送料¥1,250
合計¥94,894
遠距離介護の費用について

この事故をきっかけに自分の限界に気が付くことが出来ました。自分ではやれると思っていたのですが、割と限界だったのです。毎月有給を使いながら帰省中も仕事の電話やメールの返信もする。母の認知症からくる言動(物を盗られるといった妄想や徘徊)に対するイライラ。何もせず大酒を飲む父。帰省して溜まった家事や手続きに追われ、出費に悩む私の顔はほぼ鬼。

そんなこんなで、もう仕事なんて辞めちまえな自暴自棄に突入。すると今までの仕事に対する不満も爆発。給料は上がらず、ボーナスも出ない。使えない上司への不満、、出るわ出るわ。心の中に漆黒の闇を抱えて生活する日々。

そんな時、「介護休業」という制度があることに気がついたのです!

詳しくは厚生労働省のHPをチェック

「介護休業」を活用し、仕事と介護を両立できる体制を整えましょう。

介護休業について|介護休業制度|厚生労働省
仕事と介護を両立できる体制を整えるために「介護休業」を取りましょう。
厚生労働省:仕事と介護の両立支援制度

注意して欲しいのは、この制度は必ず仕事を継続する人に限って使えるということです。辞めるつもりがある人や、辞めようとしている人はNGなのです。

93日というと約3ヶ月も!なんてこと!これは活用するっきゃない!

藁にもすがる思いでいろんなサイトで調べました。育休の介護版といったところでしょうか。

身近で取ったことがある人もおらず、会社にもいない状況で、本当に取れるのか不安でした。その頃会社も人手不足。みんな条件の良い会社に転職していき、残ったメンバーで仕事を回す日々、、

言い出すのに勇気が入りましたが、意を決して「介護休業の制度を使わせていただきます」と申し出ました。毎月介護を理由に有給を取っていたので、周りも納得してくれ、問題なく手続きは進みました。

会社独自の書類もあるようですが、だいたいこんな感じの書類に必要事項を記入します。

2)の休業の期間はどれくらいで落ち着くのか分からず、とりあえず最長の3ヶ月で設定しました。

休業したい日の2週間前までに提出という決まりで、ギリギリで提出。休業が終わるまでに介護が必要な家族の「住民票記載事項証明書」というものをゲットしなければいけませんでした。マイナンバーカードがあれば、コンビニでも取れるようなのですが、両親ともにマイナンバーカードを持っておらず。様々な身分証明書を携え、車で20分かかる役所へ。母がデイサービスに行っている間終わらせたいのでに大急ぎで。しかし、請求できる人は本人または同一世帯の人のみで、離れて暮らす私の場合は母の自筆による委任状がいる(!)とのこと。認知症の母にはハードルが高い。。さらに、マイナンバーの記載をすると窓口で受け取れず、母宛の郵送となるとな。

ため息をつきながらこの日は取得を諦め、後日酔っ払った父(母と同一世帯)を叩き起こして窓口へ。なんとか取得することが出来ました。

約3ヶ月の休業を終え、会社へ復帰。高齢者との生活から一変して目まぐるしく押し寄せる作業・労働。ただ、無心で働いている時も両親の様子が心配ではありました。

3ヶ月で介護サービスの追加や修正をして、父に出来ないことは一般のサービス(配色サービスやウォーターサーバーなど)を利用するなど、だいぶ整理されて安心した生活ができるようになりました。

休んでいる間は収入ゼロなので所得税はなしですが、社会保険料(健康保険料、厚生年金、雇用保険)はしっかり引かれるので、その分を会社の口座に振り込む必要がありました。(休業中に出社する場合はその分の給与からマイナスされます。)

肝心の給付金は、最後の休業が明けてから約1ヶ月半後に振り込まれました!!

まとめ

・介護の始まりは包括支援センターに相談

・介護認定を申請して介護保険を使える準備を

・入院時にも医療相談員に相談

・仕事との両立のためにも介護休業を使う

もしこの制度を知らなかったら単純に仕事を辞めたか、あくせく働きながら、イライラ介護をして消耗していたかもしれません。このお休みした3ヶ月間で出来たことはまた別でご紹介したいと思います。両親たちも満足しているようなので、この調子でマイペースにやっていこうと思います。

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