今家族の介護中で、そろそろ施設に入れようかと悩んでいる方へ
いつから入所を検討するか、決断するかタイミングで悩まれている方が多いのではないでしょうか
私が行った母がグループホームに入所するまでの流れ・葛藤・解決方法をまとめてみました

日々の介護と家事に追われて施設を探す時間ないな〜
家族がどう思ってるかも分からないし悩むな、、

今回は施設を探すところから入所までの
流れをご紹介しますので、イメージしてみましょう!
介護スタートした初期のこと
介護の程度にもよりますが、介護の始まりはまずは在宅で、介護サービスを使いながらスタートすることが多いのではないでしょうか
わたしの場合も遠距離ではありましたが、初めから施設は考えておらず、家族が在宅で介護できる方法をケアマネさんと相談して介護プランを作っていただきました
介護が始まった時の経験談はこちらをご参照ください
http://caremaru22.com/ある日介護は突然に/
介護施設を探し始めたきっかけ

母がアルツハイマー型認知症となり、父が在宅で母を介護し、私が月1で1週間〜10日くらい通うという方法を1年程度続けました。
その頃から母の物忘れの度合いがひどくなり、トイレでの失敗も増えてきました
それと同時に両親が言い争う声がお隣にも聞こえるようになり、ご近所からの心配の声がけを度々もらうようになりました
この辺りから在宅介護の限界を感じ、本腰を入れて施設を探すことになりました
施設を選ぶ基準をどう考えたか
まずはケアマネさんからは両親が住む町や近隣の町にある介護施設の一覧をもらいました
そして、何を優先させたいかをリストアップしました
- 認知症に対応していること
- 父が面会に通いやすいところ
- 両親の年金額・貯蓄額で払えるところ
これらの条件を満たすところで考えると、自ずと3箇所に絞られました
・介護老人保健施設
・特別養護老人ホーム
・グループホーム
それらの施設をネットで検索し、口コミやHPをチェック
それぞれの施設に連絡し、大まかな施設の特徴、待機人数、資料請求、見学の有無を確認
調べていく中で、母にとって認知症に特化したグループホームが一番あっているのではないかと思い、第一希望としました
コロナ禍での見学の難しさ

コロナ禍では実際に施設を見学できたのは1つのみでした
コロナ禍では面会すら窓越しが限界で、ましてや県外からやって来る人に対しての見学は当然断られてしまいました
ちょうど、わたしが施設を探していた時期は外出自粛の真っ最中で、遠距離の移動もNG
ニュースでは他県ナンバーの車に被害が出ている報道がされていました
見学を断る側の施設の方たちの様子は、入居している方々の人命が第一なので、当然の対応なのですが、かなりご苦労と葛藤されているように見えました
そんな状況で良し悪しの判断としては、電話でのスタッフの対応が丁寧かどうかや、ネットで見れる運営状況(レーダーチャート)が平均値と比べてどうか。その辺りをチェックしました

施設に申し込みをする
施設を検討し始めてから半年くらいの間で実際に2箇所の施設にに申し込みをしました
申込書は1箇所はケアマネさんからもらい、もう1箇所は直接施設から郵送してもらいました
申し込む段階ではまだ父と私の間で施設に預けることに納得仕切れていない状況でした
「まだ家族で診れる」「本人は家で過ごしたいはず」「自分が頑張ればなんとかなる」
主にこのような想いがあり、踏ん切りがついていませんでした
しかし、ケアマネさんや施設の方からまずは申し込みだけした方が良いとのアドバイスがありました
その理由として私が決心できたことは大きく3つでした
・本当に介護ができなくなってしまってからの申し込みでは遅い
・申し込みして入居の順番が来ても断れる
・認知症の症状がこれ以上進んでしまうことを予防できる
入居を断ったとき

申し込んだ2つの施設のうち1つ目の施設の順番が来た時のことです
申し込みから3ヶ月くらい経った頃でした
施設から電話があり、空きができましたので近日中にどうするかご連絡くださいとのこと
私は仕事も忙しい時期で実家に帰れないタイミングだったので、父と電話で相談しました
父はアルコール依存症ということもあり、物事を順序立てて考えたり、理論付けて話し合うということが苦手なのもあり、単純に「まだ大丈夫」の一点張りでした
わたしも遠距離介護のリズムができてきた頃でもあり、まだ仕事と介護を両立できるという地震もあって、入所を見送る決断をしました
施設の方は快く見送りを承諾していただき、ケアマネさんも私たちの決断を理解してくれ、「一緒に頑張りましょう」と言っていただけました
関係者会議での会話

母が要介護2→3に変更になったタイミングでデイサービスは週3→4になり、週に2度ヘルパーさんが掃除や身の回りのお世話に来てくださり、週1で看護師さんが身体の状態を見にきてくれるプランになっていきました
デイサービスで過ごす時間が増え、父の負担が軽くなり、父本人のゆとりができたと実感しました
そんな折に、関係者会議をケアマネさん主催で行うことになりました
出席者はケアマネさん、ヘルパーさん、デイサービスの方、包括支援センターの方、訪問看護の方
私たちの親戚2名と父と私です
日頃の母の様子をそれぞれの役割の方から率直に報告をもらいました
家族が思っているより、母のできないことが増えてきていて、デイサービスではほぼずっと母一人に対して1人が付かなければならないという状況でした
これには私たちもびっくりで、さすがにこのままではまずいなと思ったきっかけにもなりましたし、こんなにもたくさんの人が母の為に付いていてくれているんだと改めて実感しました
この会議では家族側の想いを発表する機会もあります
親戚・父・私とそれぞれがどうしたいか、どう思っているかを話しました
親戚「○○(父)も体調が悪いし(アル中)、奥さんとの喧嘩も絶えないし、もう難しいのでは」
父は「まだ家で診れるし、そんなに自分は大変だと思っていない」
私はそこで「施設を一度は断ったけれど、やはり在宅介護に限界を感じている」と話しました
父の説得

関係者会議で分かったことは、やはり父だけが施設を利用することに反対で、その理由が「自分は大丈夫だからなんとかなる」 ということでした
父は昔から他人に興味がなく、自分のことだけで精一杯な人でしたので、そんな父が母を世話していること自体が奇跡と感じていたのですが、「まだやれる」という発言にはびっくりでした
ですが、ここまでやって来れたのは介護サービスや親戚の援助があってのことで、本当にたくさんの人に助けてもらっての2年でした。そのことを父は分かっていないようなのです
私自身も介護休業をもらいつつ、職場の人にもかなり迷惑をかけていました
私は現在仕事を辞めてしまいましたが、もし一度目の施設に入所を決めていたら、介護離職をしなかったかも知れません
ともあれ、「母の介護のせいで自分の人生を無駄にした」そんなふうに思いたくない・そうしたくないということは父に伝えました
最終的に「お前の気持ちはわかった。そうしよう」とはなりませんでしたが、「そんな時期が来たんだな」という諦めのような承諾を父からは得られました
母に入所を伝える

認知症の母には入所を伝えるべきかどうか悩みました
YouTubeやネットで他の方々の意見を参考にし、必ずしも伝えなくて良いという意見が多数かなという印象でした
母は短期記憶がかなり短くなっているので、もし伝えてもすぐに忘れてしまいます
そこで一度施設の近くに行ったときに「ここで生活するのどう思う?」と聞いてみました
母はしっかり文字は読めるので、施設の看板を読みあげた母に対して、
「ここで生活したら、毎日友達と会えるし、一日中お世話してくれる人もいて安心だよ」と言いました
それに対して母は「ふ〜ん、そうだね」とそっけない反応
更に、「お父さんと毎日喧嘩しなくていいし、もうタバコとかお酒とかで嫌な思いをしなくていいよ」
そう伝えたら、母は笑いながら「それはいいね」と言いました
どこまで真剣に自分のことと捉えてくれたかは分かりませんが、施設に拒否反応を示さなかったことが、私にとってホッとしたし、入所を決断する後押しになりました
入所の決意

介護を始めて2年が経とうとした頃に2つ目に申し込んだ施設に空きが出たと連絡をもらいました
申し込んだ時点では5人待ちだったので、いつになることやらと思っていましたが、私たち家族の状況が緊急性があると判断されたようで、早めに入れることになったと後日ケアマネさんに聞きました
今回は入所する決意を固めていたので、電話口でそのように伝えました
そこからはとんとん拍子で施設の見学や、契約書のサインも済み、暮らしに必要なものリストを見ながら母の名前シールを貼ったり、不足してるものを購入したりと、準備を進める中で私のメンタルが崩壊していきました
私の中の罪悪感と心理状態

おそらく、家族を施設に入れる時にはみんな少なからず葛藤すると思うのですが、入所の決意をしたあたりから毎日家族のことを考えては涙が出て何も手に付かなくなってしまいました
友達と食事をしていても、夫とTVを見ていてもふと、家族のことが頭をよぎって涙が出る、何をしていても楽しくない。その原因は私の中で母を施設に預けることに対する罪悪感があったのです
このままではまずいということで、セルフカウンセリングをすることにしました
何冊か心理学の本を読み、YouTubeで情報を調べました
結果、アルコール依存症の父と、共依存の母、その母に同情する私もまた、共依存だという結論に至りました。育った環境のクセがなかなか抜けず、いつも親の幸せを最優先に考えて自分を犠牲にする考え方をしてきてしまっていたのです
自分自身が幸せを感じられない人は家族も幸せにできないと頭では分かっているつもりでしたが、「自分はどうしたいか」という自分軸での選択を優先するということができていなかったのです
そこで、私の罪悪感をリストアップしてみると主に3つでした
・子どもなのに親の面倒をみていないので親不幸
・母は自宅で暮らしたいはずなのに施設に入れる
・両親がかわいそう
それに対して、本当は私はどうしたいのかをリストアップしました
・いつまでも親に縛られず、自分の人生を生きたい
・親のことで悩むのを辞めたい
・本当は子供が欲しい
これが出てくるまでは結構時間がかかりましたが、ノートに書き出していくうちにしっくりくる答えが見えてきました。
18歳で家を出た時や、結婚する時などにも同じような葛藤があったのですが、自分自身と向き合って来なかったので、今回の親の介護・施設に入れるというタイミングで、長年私が押し殺していた本音が見えてきたのです
もし、この本心を今までのように無視してしまうと、問題が更に大きくなって苦しむことになるそうです・・恐ろしいですね
罪悪感には良い罪悪感と悪い罪悪感があるそうで、不要な罪悪感で苦しむ必要はないということを知りました
施設入所のメリット

おそらく、まだ私は罪悪感を払拭できていないのですが、施設にお世話になるメリットを明確にしようと考えました
- グループホームに入居することで、母の病気の進行を遅らせることができる
- 両親の喧嘩がなくなり、御近所迷惑が解消
- 衛生管理、栄養管理などが安心
- 定期的に医師に見てもらえる
- 常に人がいるので母が寂しくない
- 父、親戚、私の介護にかかる時間が短縮できる
パッと思いつくだけでもこんなにあります。実際に入居してから気づくこともあると思いますが、罪悪感で潰れそうな時はこれを見返したいと思います
まとめ

介護を通して家族の関係性、問題、自分自身の問題も浮き彫りになりました
ここでしっかり向き合わないと、自分の人生を生きることができないのですね
母はグループホームでしっかり自分の人生を生ききって欲しいし、
父はアルコールの問題がありますが、彼自身の生い立ちにも当然問題があり、その問題が子どもである私にも降りかかっている状態です
わたしは家族を築くことに漠然とした不安があり、子どもを作ることにも積極的になれませんでした。自分のようになって欲しくない・子育ては私には無理だとずっと思っていました
そんな考えも、子どもの頃に受けてきた教育や環境が色濃く出ていると知りました
家族に対する理想像のようなものも私自身高すぎたということにも気づきました
「家族とはこうあるべき」「親のために○○しなければならない」そんな考え方をやめて、「自分はこうしたい」その気持ちに素直に生きられるようにしよう
そんな考え方を知れたのも介護が良いきっかけになりました
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